お名前:大野 瑞紀(おおの みずき)
卒業年度:平成26年度(学部卒)、平成28年度(修士修了)、令和2年度(博士修了)
出身分野:応用昆虫学分野
現在の所属:株式会社インテック テクノロジー&マーケティング本部 先端技術研究所
私は独立系ICT企業の1つ、株式会社インテックに在籍しています。インテックは特にIT技術を活用して、幅広い分野にサービスやソリューションを提供する会社です。BtoBの案件が多いため、あまり馴染みがないかもしれません。これを読んだそこのあなた、ぜひ「魔人が社会の願いをかなえるCM」で検索してみてください。
私の所属する先端技術研究所は、インテックの中でも特殊な立ち位置にあります。次の主力事業になりうる先進的な技術を探して、効果的に新規サービスに取り入れる、いわゆる応用研究がメインの仕事です。具体的には、AI、IoT、ロボティクス、ブロックチェーンなどの技術を活用して、何か面白いことができないか? とみんなで考える仕事をしています。私はIoTの家電管理アプリ「家電手帳」のプロジェクトに参画していますので、みなさんぜひスマホにダウンロードしてくださいね。
大学時代は実験系の生物学を本業としていたため、情報分野の応用研究への転身は大きな転機でしたが、ありがたいことにかなり楽しくやらせてもらっています。博士に至るまでに身に着けた、研究者としての論理的な思考が大変役立ちました。新しいことを見て、知って、試して、学ぶことが大好きな人には、この仕事は魅力的です。
学部時代は天文部に所属し、仲間たちと望遠鏡をのぞく日々が思い出です。特に私はメシエ天体にどっぷりとハマり、星を追いかけ続けるあまり、最終的には観望班長(天文部の星の専門家)にまでなっていました。流れ星を一日に100個以上見たペルセウス座流星群、東京まで撮影に出かけた金環日食、田沢湖キャンプで泳いだ後の夜に見た天の川、寒い中みんなで見に行ったパンスターズ彗星、どれも最高の思い出で、大学時代にしかできないかけがえのないものでした。
ラボに配属してからは対照的に、仲間たちと顕微鏡をのぞく日々が思い出です。シロチョウ科複数種の染色体進化が私のテーマだったため、外でチョウチョを捕まえることから始める、自由度の高い非常にやりがいのある研究でした。基礎研究の最大の魅力は、世界で誰も知らない初めてを、私が最初に明らかにすることだと考えています。未知の探求にひたすら邁進できる日々と、自分が筆頭著者となる論文の執筆経験は、何より得難い経験であったと自負しています。
大学は知のテーマパークです。あなたは何が好きですか? 何を知りたくて何を学びたいでしょうか? 知的好奇心を持って積極的に動けば、大学は何でもできます。農学部に所属しながら、情報分野に手を出すことだって可能です。ぜひ大学を「利用」して、あなたのしたいことに好き放題チャレンジしまくってください。
※ここで発信する内容はあくまで私個人の意見であり、現在所属する会社の公式見解を示すものではありません。※